違うだろ~!そうじゃないだろ~!
エルドアン大統領はトルコリラ下落の原因を分かっているのか!
トルコ4月経常収支
トルコ4月経常収支
3月実績-48.1億ドル、市場予想-51.5億ドルに対し、実績-54.3億ドル!
トルコ2018年3月経常収支。
消費者物価指数(≒インフレ率)と同じく、トルコの最重要経済指標です。
肝心の内容はと言うと…酷い…(涙
2月経常収支-41.5億ドル
3月経常収支-48.1億ドル
4月経常収支-54.3億ドル
赤字額が減るどころか増えています(涙
格付け機関からも指摘されたでしょう。
なぜ改善せずに、拡大させるのか!?
温厚なサトウさんも怒りますよ、まったく。
まあ、例年通りと言えば例年通りなのですが、改善が見られません。
原因は、エルドアン政権の積極財政政策。
要はバラマキ政策です。
公共事業、外国企業や国内企業への補助金・援助金をバンバン行なっています。
いや確かにね、効果は直ぐには出ませんよ。
数年から数十年に渡って出てくるものがほとんどです。
(トルコの場合、もう何年も前からエルドアン大統領が積極財政政策を推進している)
それはまあ、良いのですよ。
外国企業の誘致や失業対策にもなっているので、トルコの為にもなっています。
一般的には積極財政・財政出動の初期段階では財政赤字は拡大します。
しかしその後の景気拡大・経済成長による税収の増加で徐々に回収されていき、最終的には赤字分を上回る、と言うのが基本的な考え方です。
でもね、今はインフレ率が大変なことになっているのですよ。
経済を過熱成長させるよりも抑えることが重要なのではないでしょうか。
つまりトルコ中央銀行はインフレ率を抑えるために経済も冷やす方向に進めているのに、トルコ政府がエルドアン大統領がインフレ率を上昇させるように経済を過熱させる方向に進めているのが大問題なのです。
もしくは積極財政政策の効果をきちんと市場に、投資家に説明してください。
納得すれば金利も高いことですし、トルコにお金が集まってくるでしょう。
経常赤字が悪い訳
アメリカのトランプ大統領だったら「貿易不均衡を是正する!」と言って大激怒ですが、そもそも経常赤字の大赤字が何故にヤバイかと言うと…、まあ理論上は経済成長に直接影響はないです。
(アメリカが良い例で経常大赤字でも凄い経済成長真っ只中)
しかし赤字は赤字、どこかで穴埋めをしなければいけません。
もともとトルコ人の貯蓄率は低いこともあり、国内ではその赤字分をプラスマイナスゼロには出来ていません。
ではどうやってその赤字分を穴埋めするかというと、海外からの投資で賄ってきました。
(トルコの金利が高いもの、そのひとつの要因)
しかし2018年に入り、米中貿易戦争への懸念や、イランを巡る地政学リスクなどへのリスク回避姿勢から、トルコへの投資(資金流入)が滞り、経常赤字を埋めきれなくなってきています。
いろんな意味でトランプリスクが、投資家のリスク回避姿勢を強めています。
(ドル安歓迎のトランプ大統領は、自らリスクを作り、むしろドル安へ誘導している策士なんじゃないかと思うくらいドルの上昇を阻んでいますね)
(とばっちりを食らってリスク回避の新興国通貨売り(トルコリラ安)となっています)
(まあトルコ自体、シリアへの越境攻撃やエルドアン大統領の利下げ圧力など問題山積ですが…)
しかし経済成長には直接的な影響はないと言っても巨額な経常赤字が続くと金利上昇と為替下落の引き金を引く可能性が高いのは否めません。
経常収支を改善させるためには、単純に考えれば輸出を増やすか輸入を減らすかです。
しかし輸入を減らすのは難しいです。
何故なら日本同様石油やガスなどのエネルギーはほぼ輸入に頼っているのが現状ですし、輸出を増やそうにも製品の原材料も輸入に頼っています。
安く豊富な人件費から自動車産業など、部品を安く輸入し製品を高く輸出するのが一番なのですが…。
あと所得収支を増大させることも効果的ですが、これも急には上がらないですからね。
引用元:トルコ2018年2月経常収支
トルコ第1四半期GDP成長率
前期(2017年10-12月)比+1.7%、市場予想同+0.8%に対し、実績同+2.0%!
前年(2017年01-03月)比+7.3%、市場予想同+7.0%に対し、実績同+7.4%!
おおー!素晴らしい!
トルコ経済は本物ですな♪
エルドアン大統領もこのGDPの成長率には大喜びのようで、
Türkiye ekonomisi 2018 yılının ilk çeyreğinde yüzde 7,4 büyüdü. OECD ülkeleri arasında birinci, G20 ülkeleri içinde ikinci sıradayız. Dünyanın en hızlı büyüyen ülkelerinden biri olmaya devam ediyoruz.
— Recep Tayyip Erdoğan (@RT_Erdogan) 2018年6月11日
トルコの経済は2018年第1四半期に7.4%の増加となりました。
我々はOECD諸国の中では第一位であり、G20諸国の中では第二位の国となりました。
私たち(トルコ)は引き続き世界で最も急速に成長している国のひとつなのです。
と、わざわざTwitterで報告してくれています。
…………。
違うだろ~!そうじゃないだろ~!
上にも書いた通り、今は経済の過熱を抑えてインフレ率をどうにかするのだろうー!
2016年はマイナス、2017年でも0.5%とかの日本なら、積極財政・財政出動は有効でしょうけど、インフレ率2桁のトルコがそれをやってどうするの?
5%で十分ですよ。
今はトルコリラ安、インフレ高、経常赤字をやっつけましょうよ。
市場もそれを望んでいるみたいですよ…。
下記に続く…。
経常収支でトルコリラ
トルコ第1四半期GDP成長率、2017年4月経常収支で、トルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=4.51トルコリラくらいでしょうか。
ああああ~…(涙
1ドル=4.5トルコリラの壁を越えてしまいました(涙
GDP成長率は予想以上に良かったものの、経常収支が予想以上に悪かったために、トルコリラ売り(トルコリラ安)で反応しています。
つまり市場は、GDP成長率より経常赤字の方が問題と捉えていると言うことです。
しかし、一時は4.53まで進んでいたドル高トルコリラ安も、今では4.51トルコリラまで落ち着いてきています。
市場も冷静になってきたのかな?
1ドル=4.2トルコリラとは言わないので、せめて4.3トルコリラには戻して欲しい…。
ドル/円
1ドル=109円90銭あたりでしょうか。
史上初の米朝首脳会談への期待から、リスク姿勢も後退しつつあり、ドル買い円売り(ドル高円安)が進んでいます。
是非とも良い方向に進んで欲しいものです♪
トルコリラ/円
1トルコリラ=24円35銭くらいでしょうか。
1トルコリラ=24円55銭あたりから、一時は24円20銭くらいまで下落しましたが、徐々に盛り返してきています。
でもまあ、35銭くらいの下落ですか…。
大したことないな、と思えるあなたは(サトウカズオも)立派なトルコリラ(保有者)ホルダーです(笑
現状図で表すと、またまだドル=円>トルコリラですかね。
トルコリラ…そこまで負けていませんよ。
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トルコの政策金利は現在9.00%(2023年2月11日)。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
最近人気を高めつつあるメキシコペソなどの他の高金利通貨に比べてもスワップポイントが高く、大きな見返りが期待できる魅力が人気となっています。
この記事を見られているってことはトルコリラに興味があるってことですよね?
気になるなら悩むよりも時間を味方に、早く始めることが重要だと思います♪