前々回のトルコ2018年6月消費者物価指数では過去10年で最悪のインフレ率になってしまった、という記事を書きました。
前回のトルコ2018年7月消費者物価指数でも過去10年で最悪のインフレ率になってしまった、という記事を書きました。
そしてトルコ2018年8月消費者物価指数は!
………。
やっぱり過去10年間で最悪のインフレ率になってしまいました(涙
つまりトルコのインフレ率は下がらなければいけないのに逆に上昇しています(涙
当然トルコリラは…げらく…むしろ上昇だと!
トルコ8月消費者物価指数
トルコ8月消費者物価インフレは15年ぶり高水準!PPIは32%上昇!
トルコの8月の消費者物価上昇率は15年ぶり高水準となった。3日の発表によると、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比17.9%上昇と、前月の15.9%上昇からインフレが加速した。
ブルームバーグがまとめた市場予想では17.6%上昇が見込まれていた。
生産者物価指数(PPI)上昇率は32.1%と、消費者物価の2倍近い伸びとなった。
これは生産者が原材料コスト上昇分を製品価格に全ては転嫁できていないことを意味するが、最終的には転嫁せざるを得ない。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジェーソン・タビー氏は電子メールで「インフレは今後数カ月にさらに加速するだろう」として、先月のリラ急落の影響はまだ消費者物価に浸透していないが、「物価圧力は高まる見通しであることが示された」と指摘した。
引用元:ブルームバーグ
トルコ08月消費者物価指数
07月実績前月比+0.55%、市場予想同+1.84%に対し、実績同+2.30%!
前年比に至っては07月実績+15.85%、市場予想+17.60%に対し、実績+17.90%!
トルコ08月消費者物価コア指数
07月実績前年比+15.10%に対し、実績同+17.22%!
トルコ経済の足を引っ張る5大懸念材料(インフレ率、経常収支、トルコリラ安、地政学リスク、政治・外交リスク)の一つインフレ率。
その8月消費者物価指数が公表されました!
結果は…、酷い!
酷いだろう酷いだろう、と思っていましたが本当に酷いです。
- 03月実績前年比+10.23%
- 04月実績前年比+10.85%
- 05月実績前年比+12.45%
- 06月実績前年比+15.39%
- 07月実績前年比+15.85%
- 08月実績前年比+17.90%
右肩上がりに…しかも加速度的に上昇しています。
本当は下げなければいけないのに…。
トルコ中央銀行の報告書にも、
8月の増加は、雑貨やサービスで5.85%。
家具4.56%、輸送4.45%、住宅3.85%、通信2.63%上昇した。
年間での増加率は、輸送で27.13%。
家具23.76%、雑貨・サービス23.23%、飲食品19.25%、住宅16.30%の増加率となった。
と、淡々と書かれています。
それ(インフレ率の上昇)を抑えるのが中央銀行の役目だろうがーー!
ごほん…。
このインフレ率上昇、原因は当然と言えば当然の、
- 通貨安(トルコリラ安)が原因による輸入品(輸入部品)の上昇
- 通貨安と世界的な原油価格の上昇によるエネルギー価格の上昇
- エルドアン政権の積極財政政策による経済の過熱と財政赤字拡大
- トルコ中央銀行が有効な手立て(政策金利の利上げ)を講じていない
となっています。
やはり通貨安(トルコリラ安)がすべての元凶ですね(涙
その通貨安(トルコリラ安)は一番の問題はアメリカとの関係悪化だと思っています。
だって原油価格の上昇。
(世界的な問題でみんなが知っている⇒織り込み済み)
原油価格上昇による貿易赤字の拡大⇒経常赤字の拡大。
(トルコ関係者はみんなが知っている⇒織り込み済み)
上にも書いた通りトルコリラ安がすべての元凶とすれば、アメリカとの関係悪化からの先行き不安⇒トルコリラ安⇒インフレ率上昇となっているのですから、逆に考えればアメリカとの関係改善⇒トルコリラ高⇒インフレ率抑制になるのではないかと。
結構的を得ていると思うのですけど、如何でしょうかエルドアン大統領!
消費者物価指数とは
商品や受けるサービスには価格があり、その時々によって高くなったり安くなったりしています。
これら商品の価格を消費者物価と言い、その平均的な動きを測定したものを「消費者物価指数」と言います。
消費者物価コア指数とは、その中から季候の変動などの影響を受けやすい生鮮食品とエネルギー価格を除いたもの、のことを言います。
引用元:消費者物価指数とは
トルコ8月生産者物価指数
トルコ08月生産者物価指数
07月実績前月比+1.77%、市場予想+3.20%に対し、実績同+6.60%!
前年比に至っては06月実績+25.00%、市場予想+27.50%に対し、実績+32.13%!
ああああ…、酷い…。
生産者物価指数、前年比で+32.13%って…。
前回07月実績の+25.00%も過去10年で最悪の数値でしたが、それを上回っているということは、今回またまた記録更新して8月の+32.13%が過去10年間で最悪の数字となりました。
モノやサービスを提供する生産者物価指数がこの数値と言うことは、来月や再来月の消費者物価指数も期待できそうにないと言うことになります。
(8月に作られた商品は、9月-10月あたりに消費者に届き、購入されていくため)
生産者物価指数とは
消費者物価指数との違いは文字の通り、消費者側から見た数値(買う側・受け取る側⇒消費者物価指数)か、生産者側から見た数値(提供する側・販売する側⇒生産者物価指数)かの違いです。
(生産者が出荷した時、サービスを提供する時の値段は生産者物価指数となります)
そして、生産者物価指数もインフレの指標となる経済指標です。
引用元:生産者物価指数とは
トルコ8月製造業PMI
トルコ08月製造業PMI
前回07月実績49.0、市場予想51.9に対し、実績46.4!
続いてトルコ8月製造業PMI。
PMIという指標は景気判断の方法として数値が50を上回ると改善、50を下回ると悪化と判断されます。
04月実績48.9、05月実績46.4、06月実績46.8、07月実績49.0、そして08月実績が46.4!
つまり景気は悪化に向かっていると判断されます。
理由は言わずもがなの通貨安(トルコリラ安)。
世界的な原油価格(エネルギー価格)の上昇もトルコ経済の重しになっています。
(トルコは日本同様、資源が無いため、ほぼすべてを輸入に頼っています)
トルコリラ安により、材料費は高騰するは、機械を動かす、または運搬・輸送するエネルギー価格は上昇するはで、コストが大幅に上昇しています。
しかもトルコの輸出入の割合は、
輸出1に対し、輸入1.5。
日本と逆で輸入が多い経済構造となっており、日本は円安で景気が良くなるのに対し、トルコはトルコリラ高で景気が良くなります。
つまりはこのトルコルラ安の現在、通貨安+エネルギー価格の上昇=輸入物価大幅増!⇒インフレ率大幅増!で、景気が良くなるとは思えないですよね。
トルコ7月観光客数
トルコ7月観光客数
前回6月実績前年比+29.2%に対し、実績同+11.7%!
素晴らしい!一服の清涼剤!
ここにきて心休まる数値です(笑
さすがに6月実績の前年比+29.2%には及びませんが、それでも二桁増は立派!
さらに%の伸び率ではなくて、延べ人数でカウントすると観光客数は過去最高!となっています。
原因はトルコの治安が回復していること。
そしてトルコリラが対ドル、対ユーロで最安値を更新中であることから、観光客が増えています。
お金持ちが多いドイツ・フランス・オランダから見た場合、ユーロ圏のギリシャよりもトルコリラのトルコの方が安いですからね(笑
ただ…トルコリラ安が原因と言うことで、喜んで良いのか悪いのか…複雑です。
消費者物価指数でトルコリラ
トルコ8月消費費者物価指数と生産者物価指数、製造業PMIでトルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=6.623トルコリラくらいでしょうか。
トルコのインフレ率は過去10年で最悪の数値となった割には、横ばい…むしろ僅かに上昇しています!
理由はトルコ中央銀行が、
「物価安定のために必要な措置を行う」
「9月の政策決定会合で金融スタンスの調整を行う」
との声明を発表したため急速に買戻しが入ったためです。
本当?
ドル/円
1ドル=111円10銭くらいでしょうか。
アメリカ・ニューヨーク市場はレーバーデー(労働者の日)で休場だったことから、値動きも少なく進みました。
トルコリラ/円
1トルコリラ=16円70銭くらいでしょうか。
過去10年で最悪のインフレ率となったことから、一時は1トルコリラ=16.457円まで下落したものの、その後のトルコ中央銀行による口先介入による買戻しにより17円近辺まで上昇し、今現在は16円70銭あたりで揉み合っています。
トルコ中央銀行さん、9月13日の政策金利発表は期待して良いの?
ただ現状図で表すと、やっぱりドル>円>>>トルコリラですかね。
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トルコの政策金利は(2018年09月04日)現在17.75%。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
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まあトルコリラ取り扱っているFX会社って少ないのですけどね(笑
トルコリラは値動きが激しくてリスクがあって怖い…と言う方。
それならばメキシコペソは如何でしょうか?
メキシコの政策金利は(2018年09月04日)現在7.75%。
なによりメキシコはトルコや南アフリカよりも安定していることが大きな魅力ですね♪
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