先週末エルドアン・トルコ大統領は欧州の盟主ドイツへ訪問していました。
アメリカと対立、ロシアとはシリア関係で距離感が出てきている中、最大の貿易相手国であるドイツとの関係修復は、この上ない朗報となるのですが…いかに?
トルコ9月製造業PMI
トルコ製造業PMI、2009年3月以来の低水準
1日発表された9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は42.7と、8月の46.4から低下し、2009年3月以来、約9年ぶりの低水準となった。また景気拡大・悪化の節目となる50を6カ月連続で下回った。
9月は生産と新規受注の鈍化が重しとなり、雇用や仕入れ活動の縮小につながったほか、リラが年初来で約40%下落していることもインフレ圧力の増大に寄与した。
引用元:ロイター
トルコ09月製造業PMI
前回08月実績46.4、市場予想45.2に対し、実績42.7!
まずはトルコ9月製造業PMI。
GDP(国内総生産)に多大な影響を及ぼす製造業の景気指標のひとつです。
そのため、トルコの経済指標の中でも重要度の高い指標です。
まずPMIという指標は、景気判断の方法として数値が50を上回ると改善、50を下回ると悪化と判断されます。
04月実績48.9
05月実績46.4
06月実績45.8
07月実績49.0
08月実績46.4
09月実績42.7←NEW
7月一時的に回復し持ち直しましたが、基本的に右肩下がり。
つまり景気は悪化に向かっていると判断されます。
(しかも42.7って…およそ9年ぶりの低水準ですよ…(涙)
理由は言わずもがなの通貨安(トルコリラ安)。
世界的な原油価格(エネルギー価格)の上昇もトルコ経済の重しになっています。
(トルコは日本同様、資源が無いため、ほぼすべてを輸入に頼っている)
トルコリラ安により、材料費は高騰するは、機械を動かす、または運搬・輸送するエネルギー価格は上昇するはで、コストが大幅に上昇しています。
しかもトルコの輸出入の割合は、
輸出1に対し、輸入1.5。
日本と逆で輸入が多い経済構造となっており、日本は円安で景気が良くなるのに対し、トルコはトルコリラ高で景気が良くなります。
つまりはこのトルコルラ安の現在、通貨安+エネルギー価格の上昇=輸入物価大幅増!⇒インフレ率大幅増!で、景気が良くなるとは思えないですよね。
トルコ大統領、ドイツ訪問へ
孤立回避狙うトルコ、ドイツは難民抑制期待
トルコのエルドアン大統領は、訪問中のベルリンでドイツのメルケル首相と会談した。アメリカ・トランプ政権との関係が悪化し、通貨リラの急落で苦境に陥るトルコが、国際的な孤立とこれ以上の経済の混乱を避けるため、欧州の盟主、ドイツとの関係正常化を探る。
ドイツにとっても難民の流入抑制のためトルコの安定が欠かせないが、人権問題の改善などがハードルとして立ちはだかる。
エルドアン大統領の初めてのドイツ公式訪問は、悪化していたドイツとの関係を立て直し、トルコ経済の安定につなげる狙いだ。エルドアン大統領は拘束しているアメリカ人牧師の解放を求めるトランプ大統領と激しく対立している。
アメリカは追加関税などの対トルコ制裁に踏みきり、通貨リラが年初から対ドルで約40%も急落する「トルコショック」にも見舞われた。
通貨安とインフレの悪循環に陥り、長期政権のよりどころだった経済も19年のマイナス成長がささやかれるまでに悪化してきた。
経済再建が不可欠だが、アメリカの影響が強い国際通貨基金(IMF)への支援要請は避けたい考えで、ドイツとの関係改善に活路を探る。
(中略)
ドイツにとって「トルコの経済的、政治的安定は根本的な利益」(ザイベルト報道官)と言える。
もっとも、EU加盟国でもないトルコへの独自の支援は難しい。
それでも、関係改善でトルコに進出するドイツ企業などに安心感が広がれば、トルコ経済の悪化に歯止めがかかる可能性はある。
引用元:日本経済新聞
エルドアン大統領、このドイツ訪問って2014年の大統領就任後、初の公式訪問なんですね。
ドイツはトルコ最大の貿易国であり、トルコの貿易の45%を占める欧州連合(EU)の盟主的な立場なのですから、1・2を争う順番で訪問すべきだと思いますが、ドイツから招待されていなかった、というオチ。
しかし最近、拘束していたドイツ人を釈放するなど、エルドアン政権の軟化姿勢により、ドイツ側からの招待により公式訪問が実現しました。
(良かった♪)
さて、このドイツ公式訪問。
エルドアン大統領は「過去のことは置いておいて、共通の利益のために新たなページを開く必要がある!」と調子の良い事を言っています(笑
メルケル首相も会見では花を持たせてくれたのか「経済的に安定したトルコはドイツの利益」と言ってくれました。
トルコは激しく、ドイツも一線を画している、アメリカ・トランプ政権への対抗上、両首脳は経済協力などを進めることでは一致しましたが、やはり出てきたのはトルコの人権問題。
ドイツは、未だに拘束されているドイツ人を開放しろ。
トルコは、あいつらはテロリストだ、むしろドイツ国内の反トルコ団体を追放しろ。
と、話にならなかった状態です。
これは…、まとまらない(涙
しかも経済協力と言っても、目に見える利益は、ほぼトルコ側です。
エルドアン大統領はドイツ企業によるトルコ進出・トルコへの投資を依頼していますが、じゃあ政治的・外交的・経済的にリスクのあるトルコに対し、積極的に進出し投資をするかと言われれば…しないでしょう。
結局、エルドアン大統領が拘束中の外国人の解放・釈放(人権問題)。
アメリカとの関係修復によるトルコ経済の安定(リスクの軽減)をしない限り、なかなか好転しないと思うのですけどもねぇ…。
さすがにトルコ経済の苦境を意識してか、最近エルドアン大統領の軟化姿勢が目立ちます。
だからこその、10月12日のブランソン牧師に関する裁判は大注目ですね♪
製造業PMIでトルコリラ
トルコ9月製造業PMIで、トルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=6.000トルコリラくらいでしょうか。
正直、製造業PMIが悪かった割には、値は動いていません。
アメリカとカナダがNAFTA再交渉で合意したことを好感し、強いアメリカ経済、堅調なアメリカ株価が意識されドル高、結果トルコリラ安。
一転、イタリアの財政・債務問題による欧州株全面安により、リスク回避のトルコリラ売り(トルコリラ安)も進んでいます。
頑張れトルコリラ!
ドル/円
1ドル=113円65銭くらいでしょうか。
一時1ドル=114円台を回復。
市場では達成感と、利益確定のドル売り円買い(ドル安円高)。
さらには上記通りイタリア発の欧州株価全面安による、リスク回避の円高が進んでいます。
良い流れでしたが、相場はいったん踊り場ですかね。
トルコリラ/円
1トルコリラ=18円90銭-95銭くらいでしょうか。
上記リスク回避姿勢の台頭により、一時は18円60銭を割りそうなところまで下落していましたが、トルコリラはしぶとい!そして底堅い!
一転、19円台回復手前までトルコリラ高が進んできました。
まだまだトルコリラ高継続中と言えます。
ブランソン牧師開放、トルコの外交リスクの後退、など、ヨルコリラへの期待上げも一面もあるでしょうが、現時点ではトルコリラ安要因より、トルコリラ高要因の方が多いのでは?
ただ現状図で表すと、やっぱりドル>円>>トルコリラですかね。
でもトルコリラ高継続中です♪
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トルコの政策金利は(2018年10月02日)現在24.0%。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
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まあトルコリラ取り扱っているFX会社って少ないのですけどね(笑
トルコリラは値動きが激しくてリスクがあって怖い…と言う方。
それならばメキシコペソは如何でしょうか?
メキシコの政策金利は(2018年10月02日)現在7.75%。
なによりメキシコはトルコや南アフリカよりも安定していることが大きな魅力ですね♪
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