トルコのインフレ率が急上昇!
利上げするしかないが経済が…
サトウカズオ的には予想以上、市場的には予想通りの利上げを実施したことにより、トルコリラは上昇したものの、長続きはせず(涙
(エルドアン大統領の強硬な外交姿勢もあるけど)やはりインフレ率が下がらないことには通貨価値の下落も止まりませんよね…。
そんな中、昨日トルコのイベント&経済指標の中で個人的に二番目に重要な消費者物価指数(≒インフレ率)が発表されました。
(一番重要と思っているのは政策金利(トルコ中央銀行の声明含む)発表)
トルコ経済・トルコリラに直結する重要指標だけに、否が応でも注目が集まります。
そのトルコ2020年11月消費者物価指数は如何に!
そして気になる次回政策金利は早くも12月24日発表!
※:注意
この読まれている記事は最新の情報(現在のトルコ消費者物価指数≒インフレ率の記事)ではありません。
最新のトルコ消費者物価指数≒インフレ率情報を知りたい場合は、下の記事を参照ください。
予想以上にインフレ進むもリラ上昇実質金利もなんとかプラスを維持! 3日、トルコの5月消費者物価指数(≒インフレ率)が発表されました。最近、トルコ国内の物価高に苦しむ市民とは裏腹に、宮殿のような自宅を公開した[…]
トルコ11月消費者物価指数
トルコの11月のインフレ率は予想を上回った。
年初来のトルコリラ安が背景で、トルコ中央銀行のアーバル新総裁に金融引き締め継続を求める圧力が高まっている。
11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比14%上昇。
過去1年余りで最も高い伸びとなり、ブルームバーグが調査したエコノミスト18人の予想を全て上回った。
(予想中央値は12.7%上昇)
一方、同月の生産者物価指数(PPI)上昇率も23%と、2019年6月以来の高水準。
トルコリラは10月、対ドルで7.5%下落。
月間下落率は世界の通貨の中で最大で、18年の通貨危機以来の大きさだった。
エコノミストらは、この3カ月のトルコリラ下落が11月の数字に反映されたと指摘している。
夏まで続いた急激な利下げに加え、財政支出の拡大や政府主導の与信押し上げで、トルコリラは今年に入り大幅に下落している。
引用元:bloomberg
結果、消費者物価指数(≒インフレ率)は、
トルコ11月消費者物価指数
10月実績前月比+2.13%、市場予想同+1.05%に対し、11月実績同+2.30%!
より重要な前年比は10月実績+11.89%、市場予想同+12.66%に対し、11月実績同+14.03%!
トルコ11月消費者物価コア指数
10月実績前年比+11.48%、市場予想同+12.30%に対し、11月実績同+13.26%!
大注目のトルコ11月消費者物価指数(≒インフレ率)。
前月実績、市場予想ともに大きく上回る、ひどい数値となっています。
当然のことながらトルコリラも失望売りで、大きく下落しまいます。
インフレ率はもともと高く不安定だったのに、新型コロナウイルスの影響で仕方がないとは言え、それを抑える役目の金利をエルドアン大統領の意向もあり、利下げを繰り返していたこと。
そしてこれまた新型コロナウイルスの影響で低迷した経済を救うため、政府の景気刺激策により経済を活発化させたことが、インフレ率を押し上げる好材料となっています。
トルコ🇹🇷11月消費者物価指数
前回:+11.89%
予想:+12.60%
実績:+14.03%トルコ経済は回復していたものの今回通貨防衛で利上げした
最大の輸出先である欧州経済もコロナで大打撃で輸出が心配
一大産業である観光もコロナでトルコに人来ない
それでインフレも上昇したらトルコリラ詰んだ😭 pic.twitter.com/sIXjE3b8Jg— サトウカズオ🇹🇷スワップ投資⚔️FX自動売買 (@tryjpyFX) December 3, 2020
まあ、この辺りは難しいですね。
新型コロナウイルスの影響でトルコ経済は大ダメージを受けています。
輸出先No.1であるEU諸国も新型コロナウイルスの感染再拡大で、EU経済の見通しは不透明なままです。
何らかの経済刺激策は必要で、これらは形は違えども世界各国行っています。
ある意味仕方が無いでしょう。
そのお陰からか、トルコ経済は上向いています。
11月30日に発表された前年比の
トルコ7-9月期GDP
前期実績前年比-9.9%、市場予想同+4.5%に対し、実績同+6.7%!
と驚くべき回復ぶりです!
前期比じゃないですよ、前年比でこれです。
急回復、ものの見事なV字回復です!
その前期比でも、
前期実績前期比-10.8%、市場予想同+12.5%に対し、実績同+15.6%!
と、経済は、いち早く新型コロナウイルスの影響から抜け出しています。
ただし!ここまでインフレ率も急上昇してくると、さすがに抑え込まないといけません。
(もともと抑え込まなければいけない高いインフレ率でしたが…)
しかしこれが難しい…。
トルコ経済は回復していたものの、通貨防衛のため、前回11月19日のトルコ中央銀行の会合では政策金利を15.00%としました。
トルコリラは上昇しましたが、トルコ経済は金利上昇により急ブレーキがかかるでしょう。
さらには、最大の輸出先である欧州経済も新型コロナウイルスによる大打撃で経済が低迷。
欧州諸国への輸出が心配です。
また一大産業である観光産業も、新型コロナウイルスの影響で、トルコへの渡航は制限・自粛されるでしょう。
つまりトルコに観光し来る人なんていません。
経済の低迷を回避するには金利を下げ、経済を活発化させねばなりません。
金利を下げるとインフレ率が上昇し、トルコリラも再び下落します。
それを避けるためには金利を上げ…以下ループ。
利上げするも地獄。
利下げするも地獄
あれ…トルコ経済&トルコリラ詰んだ?
実質金利はプラスを維持
実質金利とは、名目金利から物価上昇率を差し引いた金利のことを指します。
簡単に言えば、主に政策金利から消費者物価指数・前年比を引いた数値のことですね。
今回の消費者物価指数発表でトルコの実質金利は、
15.00%-14.03%=+0.97%となりました。
まだ実質金利はプラスです(笑
さて2020年11月のインフレ率は+14.03%となりました。
10月28日に発表された最新のトルコ中央銀行インフレレポートによると2020年末インフレ率予想は+8.9%から引き上げ+12.1%となっています。
2021年末インフレ率予想も+6.2%から引き上げ+9.4%に修正しています。
既に破綻していますね、もう超えています(涙
通常ならインフレ率を抑えるために利上げ。
しかしそうすると、ただでさえ見通しの暗いトルコ経済がさらに不透明になってしまいます。
トルコ経済を明るく照らすには利下げして…(上記参照)
トルコ中央銀行と財務省は難しいかじ取りを迫られそうです。
消費者物価指数とは
商品や受けるサービスには価格があり、その時々によって高くなったり安くなったりしています。
これら商品の価格を消費者物価と言い、その平均的な動きを測定したものを「消費者物価指数」と言います。
消費者物価コア指数とは、その中から季候の変動などの影響を受けやすい生鮮食品とエネルギー価格を除いたもの、のことを言います。
トルコ11月生産者物価指数
トルコ11月生産者物価指数
10月実績前月比+3.55%、11月実績+4.08%!
より重要な前年比は10月実績+18.20%、市場予想+18.90%に対し、11月実績+23.11%!
生産者物価指数も…これまた酷い(涙
前月実績も市場予想も大きく上回っています。
これでは製造して市場に出回る2カ月後~3カ月後の消費者物価指数(インフレ率)が心配です。
こちらも消費者物価指数と同じように、今までのトルコリラ安から原材料の輸入物価が上昇していることが問題です。
さらに日本と同様、資源の無いトルコでは、原油・天然ガスなども輸入に頼っています。
その原油・天然ガスの価格も一時期より上昇していることが拍車をかけています。
色々言いましたが生産者物価指数は消費者物価指数(≒インフレ率)の先行指数です。
何故なら、この11月生産者物価指数は、2カ月後~3カ月後の消費者物価指数に影響を与えます。
(11月に作られた商品は、1月もしくは2月あたりに消費者に届き、購入されていくため)
このままだと2021年1月・2月の消費者物価指数(≒インフレ率)も厳しそうです(涙
生産者物価指数とは
消費者物価指数との違いは文字の通り、消費者側から見た数値(買う側・受け取る側⇒消費者物価指数)か、生産者側から見た数値(提供する側・販売する側⇒生産者物価指数)かの違いです。
(生産者が出荷した時、サービスを提供する時の値段は生産者物価指数となります)
そして、生産者物価指数もインフレの指標となる経済指標です。
消費者物価指数でトルコリラ
トルコ11月の消費者物価指数・生産者物価指数でトルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=7.8083トルコリラくらいでしょうか。
大幅に悪化したトルコの消費者物価指数が発表されたときは、ドル/トルコリラ7.9を突破するなどトルコリラも大きく売られたのですが…。
その後、アメリカの週次新規失業保険申請件数が前回から予想以上に減少したこと。
また、民主党のペロシ下院議長と共和党のマコーネル上院院内総務が追加経済対策を巡り交渉を再開したとの報道が好感され、リスク回避のドル売りトルコリラ買いが進みました。
さらにトルコ側でも、エルバン財務大臣が「インフレを抑えるため全力を尽くす」と発言したことが好感され、急速に値を戻しています。
良かった良かった♪
ドル/円
1ドル=103円90銭くらいでしょうか。
アメリカ11月のISM非製造業景況指数が2カ月連続で低下し、5月来で最低となった嫌って、ドル売り円買いが進みました。
国内の報道とは違い日本は主要国の中で、他国に比べ新型コロナウイルスを抑え込んでいる上位ベスト3に入る国なので、相対的に円が強いです。
もっと安くても良いのに…。
トルコリラ/円
1トルコリラ=13円30銭くらいでしょうか。
上記通り、トルコとトルコ経済、トルコリラを取り巻く環境は厳しいですが、世界的には新型コロナウイルスワクチンへの期待からの株高でリスクオン状態です。
トルコリラも12円割れの時から比べれば、かなり持ち直しています。
エルドアン大統領の強硬外交姿勢が改善すればトルコリラも…。
頑張れトルコリラ!
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トルコの政策金利は現在15.00%(2020年12月4日)。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
最近人気を高めつつあるメキシコペソなどの他の高金利通貨に比べてもスワップポイントが高く、大きな見返りが期待できる魅力が人気となっています。
この記事を見られているってことはトルコリラに興味があるってことですよね?
気になるなら悩むよりも時間を味方に、早く始めることが重要だと思います♪