1月7日の週はおよそ1トルコリラ=19円85銭でこの週の取引を終了。
先々週(12月31日の週)終値の1トルコリラ=20円30銭より、45銭のトルコリラ安円高で取引を終了しています。
ドル円は1ドル=108円53銭と先々週の終値である108円52銭から1銭程度のドル高円安で推移しています。
先週のトルコリラは週を通して上値は重く、軟調推移となりました。
原因はトルコとアメリカの関係悪化懸念からのトルコリラ売り(トルコリラ安)です。
アメリカとの関係は重要ですよエルドアン大統領!
2018年8月のトルコショックも対米関係の悪化が原因です。
トルコにとってクルド問題は譲れない問題とは思いますが、外交ですのでトルコの一方的な思いは通じませんよ。
忙しい人へまとめ
- アメリカとの関係悪化懸念からトルコリラ売りに
- アメリカの利上げペース減速を意識したドル売り
- 世界経済の減速懸念からリスク回避で円買い(涙
- トルコの経常収支は4カ月連続の経常黒字に!
- トルコ経済が持ち直してきたので利下げ観測も…
2019年1月7日週のまとめ
トルコの政治経済
●トルコ11月経常収支
10月実績+27.5億ドル、市場予想+9.0億ドルに対し、実績+9.9億ドル!
ますはトルコの経済指標。
先週発表されたトルコの経済指標は、数こそ少なかったものの大注目であるトルコ11月経常収支の発表がありました。
そのトルコ2018年11月経常収支。
消費者物価指数(≒インフレ率)と同じく、トルコの最重要経済指標ですね。
その結果は…、4カ月連続の経常黒字!
す、素晴らしい!
冬季・雨季となり、観光客・観光収入が見込めなくなって、黒字化はさすがに難しいかと思っていましたが、トルコは頑張っています!
トルコ11月の経常収支は、4カ月連続で黒字😊
11月となり観光客・観光収入も減る中でこの数字は凄い❗️
トルコも日本同様、経常黒字国としてリスク回避時には買われる通貨となるのか‼️
でもそのエルドアン大統領がリスクを起こしているからなー😅 pic.twitter.com/3OPRvnoxgb
— サトウカズオ@スワップFX&自動売買 (@tryjpyFX) 2019年1月11日
理由として、原油価格の下落によりトルコの貿易赤字の大部分を占めるエネルギー輸入額が減ったこと。
(11月はとうとう1バレル=60ドルを割って、さらに50ドルをも下回りましたからね)
またトルコの輸出もそれほどの落ち込まなかったことも、ポイントが高いです。
トルコの最大の輸出先である欧州経済の減速感がある中、トルコの輸出産業(自動車・鉄鋼)は頑張っていますね♪
しかし、経常収支の黒字化の一番の要因が原油価格の下落によりエネルギー輸入額が減ったことだとすれば、2番目はトルコ経済の低迷・消費の落ち込みにより輸入額が減ったことが挙げられます。
高いインフレ率とトルコリラ安により、トルコ経済は景気後退もささやかれています…。
そのせい(景気減速)か、それとも3月の地方選挙対策か、トルコ政府は相次いで景気刺激策を発表しています。
8日にはエルドアン大統領による、より低金利ローンへの借り換え推奨施策。
そして10日にはアルバイラク財務相が、中小企業を対象にした200億トルコリラ(およそ4,000億円)の貸し出し政策を行うとて発表しています。
いや、いいんですよ、選挙に負けたら終わりとは言わないまでもエルドアン大統領の求心力は落ちるでしょう。
それはそれでトルコ政治の先行き不透明感からトルコリラ安へと繋がります。
またトルコの経済成長は、現状前期比でマイナス。
年間で2%割るまでに落ち込んでいますから…。
ただ…、こういう景気刺激策はインフレ率上昇を促します。
ただ、トルコ経済・経済指標上、
経常収支>経済成長
消費者物価指数(≒インフレ率)>経済成長
の方がより重要(より経済に与えるダメージが大きい)ため、エルドアン大統領には優先順位を間違えないで経済政策を執り行って欲しですね。
トルコの政治外交
トルコリラ軟調推移の原因は、上記通りトルコとアメリカの関係悪化懸念です。
シリアからのアメリカ軍撤退と言う外交勝利を収めたかに思えたトルコですが、アメリカがクルド人勢力への保護をシリアからの撤退条件にしたことからトルコは大反発!
アメリカ:
クルド人武装組織「人民防衛隊(YPG)」は対イスラム国(ISIS)で共闘している同盟関係
トルコ:
クルド人武装組織「人民防衛隊(YPG)」はイスラム国(ISIS)同様テロ組織!
と、まったくもってかみ合いません。
トルコは軍事行動も辞さない構えを見せており、懸念材料がまたひとつ増えた格好です(涙
トルコリラの推移
週の高値は20円36銭くらい。
週の安値は19円53銭くらいでしょうか。
週の最高値は、週初め07日のオセアニア時間。
週の最安値は、週半ば10日の東京時間、となっています。
週半ばまで下落傾向で、週後半で値を戻してきている状況でしょうか。
これだけ見れば狭い範囲でのレンジ相場となっていますね(笑
アメリカとの関係悪化懸念と言う、一番恐れている事態でも、19円を割らずに20円手前まで盛り返したのは、ある意味トルコリラは底堅い…とも言るかも…。
頑張れトルコリラに♪
米国と日本の政治経済
一方の米国ドル(と日本円)。
先週は、ハト派的な内容となったアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、同じくハト派的なパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言により、アメリカの利上げペース減速を意識したドル売り(ドル安)が進みました。
しかし同時に世界的な株高展開となったこと、米中貿易協議への進展期待から過度なリスク回避のドル売り円買い(ドル安円高)は後退しました。
結局ドル円では、週の終値はおよそ1ドル=108円53銭と、先週の終値108円52銭から1銭程度のドル高円となり、この週の取引を終えています。
米中貿易協議
1月7日から(9日まで)次官級の米中貿易協議が開催され、米中の対立解消・通商問題の解決に向けた進展があるのではないか、との期待によりドル買い(ドル高)が進みました。
しかし中国によるアメリカからの輸入拡大による対米黒字削減案など一部進展は見られたものの、合意には至らず、具体的な成果も無かったことから、ドル円は一時1ドル=107円76銭-77円まで反落しました。
その後、中国・劉鶴副首相が1月中にも通商協議で訪米する、との一部報道により、値を戻していきました。
連邦公開市場委員会議事要旨
しかし、12月の連邦公開市場委員会(FOMC、18日-19日開催)議事要旨では「次の追加利上げについては辛抱強くなれる」と、次回の利上げに対し慎重な姿勢が見られたことから、利上げペース減速を意識したドル売り(ドル安)が進みました。
欧州や中国経済の減速懸念に対する、リスク回避的な円買い(円高)も見られ、ドル安円高が進みました。
アメリカ消費者物価指数
また期待されたアメリカ12月の消費者物価指数(CPI)も前年同月比で、
11月実績:+2.2%
市場予想:+1.9%
12月実績:+1.9%消費者物価コア指数(CPIコア指数)も前年同月比で、
11月実績:+2.2%
市場予想:+2.2%
12月実績:+2.2%と市場予想通りとなったことから、アメリカ経済の鈍化懸念は払しょくできず、ドル売り円買い(ドル安円高)も継続していきました。
アメリカ政府機関閉鎖問題
しかしアメリカ・トランプ大統領が「政府機関の再開に向けて行動を起こす」との一報によりドル買い(ドル高)が勢いを取り戻し、結局108円52線-53銭でこの週の取引を終えました。
上記通り、為替市場ではハト派的な内容となったFOMC議事要旨や、パウエルFRB議長の発言により、アメリカの利上げペース減速を意識したドル売り(ドル安)が進みました。
しかし株式市場では好感され、アメリカ株価は急上昇!
結果としてリスク回避姿勢は後退し、ドル円の下支えとなっています。
(これが結局週を通しては1銭程度のドル高円安となった理由ですね(笑)
ただポジティブ材料よりもネガティブ材料の方が多いのが現状です。
投資家心理は重いままですね(涙
ドルは、利上げペース減速が現実味を帯びるも、株高展開や米中貿易協議への期待からドル横展開。
円は、週前半リスク回避姿勢が進み、週後半リスク回避姿勢が緩んだ結果、円横展開。
日本経済は相変わらず弱く、日本銀行による異次元金融緩和政策も継続でしょうが、世界経済の減速などからリスク回避の円高には注意が必要です。
トルコリラは、上記通りアメリカとの関係悪化懸念からトルコリラ安となっています。
週の展開としては、ドル横→、円→、トルコリラ安↓ですかね。
現状を図で表すと、この一週間を見る限りでは円>ドル>トルコリラでしょうか。
トルコリラ…、今年も政治外交リスクによって振り回される日々が続くのか…。
2019年1月14日週の予想
トルコの政治経済
トルコリラに関しては、
01月14日:11月 鉱工業生産
01月15日:10月 失業率
01月16日:トルコ中央銀行 政策金利発表
などが予定されています。
今週は、何と言っても16日のトルコ中央銀行 政策金利発表に注目です。
市場予想は、金融政策の現状維持・政策金利の据え置きとなっています。
しかし24%と高い政策金利、当然市中金利も高くなっておりトルコ国民は苦しんでいます。
エルドアン大統領も、3月の地方選挙のためにも金利を下げておきたいところでしょう。
しかしインフレ率も依然20%以上と高く、それどころではないです。
まずはインフレ率の抑制・通貨の安定が先ですよ♪
市場はまさかの利下げを警戒して、ややトルコリラ売りが進んでいますが、トルコ中央銀行にはエルドアン大統領などによる圧力に屈せず、自らの責務に忠実に、その職務を果たして欲しいものです。
米国と日本の政治経済
一方の米国ドル(と日本円)、
今週は、17-18日に東京で開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に注目が集まります。
年末年始の株価急落、世界経済の減速懸念に対する協調的な景気刺激策が議論されるようであれば、現状の過度なリスク回避姿勢も和らぐと言うものです。
久々にG20財務相・中央銀行総裁会議が影響力を発揮しそうです。
(何も合意がなければ、リスク回避姿勢継続のドル安円高でしょうか…)
今週の重要な米国・日本のイベントは、01月16日の米国:小売売上高
01月17日の米国:フィラデルフィア連銀製造業景気指数
01月17-18日のG20:財務相・中央銀行総裁会議
などが予定されています。
今週の注目は、経済指標的にはアメリカ12月の小売売上高でしょう。市場予想は前月比+0.2%。
市場予想を上回ればリスク回避姿勢後退から株高・ドル高展開となりそうです。
しかし、もし下回った場合は、アメリカ経済の減速懸念が再燃し、株安ドル安展開となりそうです。
アメリカ追加利上げ観測後退
上記通り、9日に公表された12月のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC、18日-19日開催分)議事要旨では、多くの参加者が世界経済の減速懸念・最近の株安展開への懸念を持っており、追加利上げに関しても慎重な姿勢を表していることが示されました。
結果アメリカ経済の減速懸念は高まり、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が年内に予定している2回の利上げ回数も、市場はせいぜい1回が限度、もしくは0回も織り込みつつあります。
今週発表される小売売上高などが市場予想を下回った場合、アメリカ経済の減速が現実味を帯び、ドル売り(ドル安)に拍車がかかりそうです。
イギリスのリスク
イギリスでは15日にも延期されていた欧州連合(EU)からの離脱合意案の議会採決が行われる予定となっています。
現状、与党保守党からの反対票も多く、議会承認を得られる可能性は低く、このまま議会採決が行われれば、イギリス政治の先行き不透明感は高まり、リスク回避の円買い(円高)が進みそうです。
ただしイギリスポンド売りユ-ロ売り(ポンド安ユーロ安)が進んだ場合、結果的にドル高となり、過度にドル安円高が進む可能性は低そうです。
米国政府機関閉鎖問題
アメリカ連邦政府機関の閉鎖は1月13日現在、過去最長の23日目に突入しており、アメリカ経済への影響も懸念されています。
アメリカ下院は11日に連邦政府機関の再開に向けた法案を賛成多数で可決したものの、上院では採決する予定はなく、さらに閉鎖期間は長期化しそうです。
しかしトランプ大統領は「議会と取引できるだろう」とも話しており、早期再開への希望も残されています。
今週の注目は、なんと言っても上記通りG20財務相・中央銀行総裁会議でしょう。
年末年始の株価急落、世界経済の減速懸念に対する協調的な景気刺激策が議論されるようであれば、現状の過度なリスク回避姿勢も和らぐと言うものです。
あとは米中貿易協議。
今回は合意に達せず物別れに終わりましたが、月末の次回会合、その前に行われるであろう下交渉に期待したいです。
そしてアメリカ連邦政府の閉鎖問題。
史上最長の23日目に突入しています。
(今までの過去最長の政府閉鎖は、クリントン政権下の1995年12月から翌96年1月にかけて記録した21日間)
報道によると政府機関で働く80万人以上の連邦職員に影響が出ているとのこと。
さすがにアメリカ経済への影響も出始めているそうなので、なんとか解決策を見出して欲しいものですが、解決しそうにないのがなんとも…。
やはりポジティブ材料よりもネガティブ材料の方が多いのか…(涙
話を戻してドル円に関しては、何度も言いますがアメリカの実経済は好調です。
なぜそこまで悲観的になるのか不思議なくらいです。
2020年後半は分かりませんが、2019年は現状の好調を維持していくと思われます。
そうは言っても投資家心理は冷え込んだままであり、株価も下落分を取り戻してはいません。
結果、今週のドル円予想は、上昇しても109円50銭。
リスク回避姿勢が再燃した場合も考えて下落時は106円50銭と予想します。
(1ドル円為替見通しブログの1管理人の予想ね)
トルコリラ円の為替相場見通し
トルコリラ円の為替相場見通しは、
18円50銭から20円50銭程度と予想します。
先週も、19円00銭から21円50銭程度のレンジ相場と予想していました。
リスク回避姿勢が進んでいる割にはトルコリラは底堅い!
しかし上値も重い!
(トルコリラ、以前よりは余程安定していると言えるのかな?(笑)
ただ正直トルコ経済ではなくて、エルドアン大統領やトランプ大統領の発言やtweet、政治的決断で上下するので、予想もへったくれもないですね(涙
トルコリラの感想
上記通り、アメリカの利上げペース鈍化が鮮明となってきました。
現状の市場予想では2019年のアメリカの追加利上げは、せいぜい1回。
もしくは、0回も想定していなければいけません。
ただ、アメリカの利上げペース鈍化はトルコリラやメキシコペソなどの新興国通貨にとっては朗報です。
アメリカの金利上昇が進むと新興国で資産を運用するよりもアメリカで資産を運用した方が、安全で利益(リターン)も大きくなることから、資金の引き上げが行われます。
それは新興国経済にとって死活問題であり一大事です。
結果、資金をつなぎとめるために金利を上げなければいけません。
つまりアメリカの利上げペース弱まる=新興国も過度に金利を挙げなくて済む⇒金利負担が減り、経済・財政も勢いを取り戻す結果となり、新興国にとっては朗報となります(笑
トルコリラ高・メキシコペソ高要因となります♪
トルコリラ資産推移
管理人はトルコリラが利益になる(儲かる)と分かってから調子に乗っていました。
と言うことで最近恒例のトルコリラ保有枚数チェック。
先週末までのトルコリラ保有枚数は、
☑️週末の #トルコリラ チェック❗️19円85銭で週の取引を終了
先週は、経常収支が4ヶ月連続の黒字という好材料はあったものの、アメリカとの関係悪化懸念や、16日の利下げ懸念から、南陵推移に😭
16日の政策金利発表ではそんな疑念を吹き飛ばして政策金利の据え置きを❗️
頑張れトルコ中央銀行😊 pic.twitter.com/OYhzcdMuIb
— サトウカズオ@スワップFX&自動売買 (@tryjpyFX) 2019年1月13日
損切りしたので0枚です。
一応12円くらいまでは耐えられたのですが…、もしかして損切り早まったかな?
ブログは継続していきたいので、何らかの形でかかわっていきたいとは思います。
管理人は、1年-2年でトルコリラ運用を止めようとは思っていないので、10年くらい先にトルコリラ高円安になっていれば良いのですが、そうは言ってもこの状況下は先が見えないですね。
トルコリラ円取り扱いFX会社を選定する際にとても重要な最新のトルコリラ円スワップポイント比較ランキングを作成していますのでを見てくださいね♪
トルコの政策金利は(2019年1月14日)現在24.0%。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
最近人気を高めつつあるメキシコペソなどの他の高金利通貨に比べてもスワップポイントが高く、大きな見返りが期待できる魅力が人気となっています。
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まあトルコリラ取り扱っているFX会社って少ないのですけどね(笑
トルコリラは値動きが激しくてリスクがあって怖い…と言う方。
それならばメキシコペソは如何でしょうか?
メキシコの政策金利は(2019年1月14日)現在8.25%。
なによりメキシコはトルコや南アフリカよりも安定していることが大きな魅力ですね♪
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毎週更新していますので是非、参考にしてみてください。