ソーシャルレンディングは最近資金流入が拡大している今注目の投資先
ソーシャルレンディングの仕組み
ソーシャルレンディングとは、ネット上でお金を借りたい事業者・企業と、ネット上でお金を貸したい人を結びつけるサービスで、お金を借りたい事業者・企業がソーシャルレンディング会社を介して、多数の投資家からの資金を募り、その事業の収益から投資家へ利息や元本の返済をおこなう仕組みのことです。
ソーシャルレンディングに似た用語として、クラウドファンディングがありますが、実際にはソーシャルレンディングは数あるクラウドファンディングの一つであり、融資型クラウドファンディングという位置づけです。
ソーシャルレンディングのより具体的な仕組みですが、まずお金を借りたいという事業者・企業の事業案件をソーシャルレンディング会社が審査します。
そして事業収益性やリスクなどを分析して、ローンの詳細な条件を決めていきます。
案件ごとに貸出利率や期間、担保や保証人の必要性の有無などを決めて、それをファンド化して小口で投資してもらいやすくします。
投資家を募集してファンドへの投資をしてもらい、投資資金を事業者・企業へ貸し出します。
ローンを受けた事業者から支払われる利息からソーシャルレンディング会社の利益となる手数料を差し引いた残りを分配金という形で投資家に還元します。
ソーシャルレンディングとは?仕組み(maneoより)
ソーシャルレンディングの魅力やメリット
ソーシャルレンディングには他の投資にはない魅力やメリットが備わっています。
そのようなメリットについて簡単にご紹介します。
預金にはない高い利回りが期待できる
ソーシャルレンディングの利回り(年利)は、一般的に5.0%から8%、高いものだと10%を超えるものもあります。
これにソーシャルレンディング会社の手数料も含めると、かなり高い利息を借り手の事業者に課しています。
高い利息を課す理由としては、優れた事業アイデアはあっても銀行の融資条件に合致せずに融資が受けられない場合や、銀行がやりたがらないメザニン融資などを引き受ける場合があり、そのリスクに見合った高い利回りを要求しているからです。
しかし、銀行融資が受けられないからといって全ての事業案件が危険だと感じる方がいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
優れた事業計画やしっかりとした事業者でも、その事業内容などが杓子定規の審査基準により正しく評価されずに融資が受けられない事業者が多数存在しているのです。
ソーシャルレンディングとは?仕組み動画ver(maneoより)
投資初心者や忙しい方にもおススメできる簡単投資
ソーシャルレンディングは投資をしたらあとはじっくりと満期まで保有して、その間に受け取るリターンや投資元本部分の返済を待つだけです。
いわゆる“ほったらかし”投資です。
従って、値動きの激しい株やFXなどのように四六時中マーケットをチェックする必要もありませんし、社会人の副業や忙しい主婦の方などの投資初心者にとてもおすすめの投資商品と言えます。
特に相対的にリスクの高い株やFXの場合、ひとたびテロやリーマンショックのような金融危機が起これば、マーケット全体が完全にリスクオフ相場となって、パニック売りのような大幅な下げ(ドローダウン)が発生することも否めません。
もちろん下がり過ぎた相場というのは底値で買う人が必ずいますので、いずれ元に戻る方向へと動いていきますが、大幅に下げた相場が何年かけて元に戻るかは誰も当てることはできません。
このような大きな損失が発生した場合、特にリスクを極端に恐れる方や投資初心者の方は夜も眠れないといった状況になるかもしれません。
様々な投資先のファンドに少額で分散投資できる
ソーシャルレンディングの投資先は実に様々なものがあり、それだけファンドの種類も多いのが特長です。
例えば、新規の事業資金や既存の事業者の運転資金から再生エネルギーのための開発資金。
不動産事業者の不動産の仕入れ資金や、さらに新興国向けのマイクロファイナンスまで選択肢は豊富です。
また、ソーシャルレンディングの最低投資金額は1万円からなど比較的少額となっています。
従って様々なファンドに分散投資することで高いリスク分散効果が期待できます。
デメリットの理解とその対処法の実践が重要
一見すると良いことずくめに見えるソーシャルレンディングですが、あくまで投資ですのでそれなりのリスクがあります。
ただし重要なことは必要以上にリスクを恐れて投資のチャンスを逃すのではなく、リスクを正しく理解しそのリスクへの備えや対処法を実践することです。
そこでソーシャルレンディングにはどのようなリスクがあり、どのような考え方や対処法をすれば良いのかについて触れてみます。
ソーシャルレンディングは危険?元本保証の有無
ソーシャルレンディングは危険ではないのか?という疑問を持つ方は少なからずいます。
その理由の一つとしては、雀の涙程度の預金利息に比べて、年利で5.0%から8.0%、中には10.0%以上ものリターンがあることが挙げられます。
この点については結論から先に申し上げると、ソーシャルレンディングには元本保証はありませんし、投資したお金が戻ってこないという元本毀損リスクもあります。
そしてこの元本毀損リスクは大きく分けて次の2種類が考えられます。
最初のリスクとして考えられるのは、ソーシャルレンディング会社の投資先の倒産などによる返済不能や資金繰り悪化などにより延滞して投資した資金が戻ってこないといった貸し倒れリスクです。
貸し倒れが発生するとソーシャルレンディング会社は資金繰りのめどがつかないような場合や、親会社からの増資などが期待できないような場合、レンディング会社に投資した資金が戻ってこないことにもなりかねません。
ただし、幸いなことに日本国内のソーシャルレンディングでは、少なくとも直近の4年間の実績において貸し倒れとなった案件はありません。
さらにソーシャルレンディング会社も、銀行などと同様に投資先に担保や保証人などを要求したり、審査能力を発揮して事業内容や業界自体の見通しや事業者の人柄や経歴などを厳格に審査したりしており、貸し倒れリスクとなる可能性は非常に低いのが実情です。
2番目のリスクとしては、ソーシャルレンディング会社自体の倒産や資金繰り悪化などによる貸し倒れリスクがあります。
このリスクについても、今日現在(2017年12月時点)において事業停止や破綻した会社はありませんが、新規の案件が募集停止となっていたり、事業継続が不明な会社は確かに存在しているようです。
しかし、レンディング会社は上記の2つのリスクの存在について公式に表明(説明)していますし、予めよく理解して投資を決定することが大切です。
流動性リスク
ソーシャルレンディングは、投資をしたら途中解約できません。
つまり、何か急に投資資金が必要になってもその資金はファンドの満期まで拘束されるという流動性リスクがあります。
元本毀損リスクへの対処法は?
元本毀損リスクや流動性リスクはとても危険に感じるかもしれませんし、投資ですから100%のリスクフリーという訳にはいきません。
それではそのようなリスクに対して何も解決策や対処法がないのでしょうか?
実はそのようなリスクをコントロールし、最小限のリスクに抑えることは可能です。
ですから、これからご紹介するような対処法を実践しておくことが重要になります。
小口に分散投資する
ソーシャルレンディングのメリットとして、小口で分散投資できる点を挙げましたが、投資案件の決定にはなるべく少額でいくつかのファンドに分けて投資することです。
そうすれば一つの案件が仮に元本毀損となった場合でも、投資全体に与えるダメージを最小限にすることができるからです。
従って例えば投資資金が100万円あればそれを一つの案件に集中して投資するのではなく、10件の案件に分散投資したほうがリスクを抑える手段となるのです。
担保・保証付き案件を選択する
対処法の一つとしては、なるべく担保や保証付きの案件に投資することが挙げられます。
担保については、担保カバー率の大きいものに投資することもリスクを抑える方法となります。
ソーシャルレンディング会社は、万が一資金が回収できない場合は、担保としている不動産や動産などを差押え、競売にかけて資金回収に充てます。
貸出金に対する担保価値が高く、カバー率が高ければそれだけ多くの資金が回収できて安全です。
期間の短いファンドに投資する
ファンドには2か月ぐらいの超短期のものから数年に及ぶものまで様々な選択肢があります。
投資を開始したら投資資金は拘束されますが、その対処法として考えられるのは、あくまで余剰資金の範囲で投資をおこない、最初のうちは期間の短いものに投資するなどの工夫をすることです。
信頼できる事業者を選ぶ
ソーシャルレンディング会社自体が倒産などにより元本毀損リスクが発生する点について述べましたが、この対処法としてはなるべく信頼できる会社を選ぶということに尽きます。
例えば、信頼できるソーシャルレンディング会社の条件としてその会社が属するグループの親会社が大手の証券会社であったり、ソーシャルレンディング会社への出資者が大手の金融機関となっている会社があったりします。
このような会社の場合、万が一の場合には増資などそれなりの対策が取られることが期待できます。
ソーシャルレンディングのまとめ
ソーシャルレンディングには、これまでの株やFX、投資信託やETFなどのファンド投資に代わる新たな投資先として今以上に拡大していく可能性があります。
日々の金融市場の値動きを気にすることなく、着実にリターンを生み出してくれるソーシャルレンディングですが、すでに投資経験が豊富なベテランの方のみならず、忙しくて投資の勉強ができない方や難しい投資の知識なしで投資から安定収益を得たいという投資初心者の方にも最適なサービスです。