インフレ上昇もトルコリラも上昇!2021.7消費者物価指数

トルコリラとメキシコペソのFXブログ-物価・インフレ率

予想以上にインフレ進むもリラ上昇

実質金利もなんとかプラスを維持!

 
3日、トルコの5月消費者物価指数(≒インフレ率)が発表されました。

最近、トルコ国内の物価高に苦しむ市民とは裏腹に、宮殿のような自宅を公開したエルドアン大統領。

新型コロナによる打撃もあり、エルドアン大統領の支持率も急降下。

今選挙をやったら、大統領選挙落選、与党転落が現実味を帯びてきているくらいに人気も無くなっています。

(そうするとトルコリラ大暴騰だな(^^♪)
 

トルコは原油や天然ガスなどのエネルギー資源を輸入に頼っており、トルコリラ安は輸入物価を押し上げ、インフレ上昇をもたらします。

インフレが上昇すると、通貨であるトルコリラはその分、価値を失い安くなります。

トルコリラが安くなると輸入物価を押し上げ、インフレ上昇をもたらします。

以下繰り返し…。
 

本来デモ・暴動が起きても不思議ではないインフレ高が続いているトルコ。

そんな中、トルコのイベント&経済指標の中で個人的に二番目に重要な消費者物価指数(≒インフレ率)が発表されました。

(一番重要と思っているのは政策金利(トルコ中央銀行の声明含む)発表)
 

トルコ経済・トルコリラに直結する重要指標だけに、否が応でも注目が集まります。

そのトルコ2021年7月消費者物価指数は如何に!

そして気になる次回政策金利は早くも8月12日発表!
 

トルコ7月消費者物価指数

トルコではインフレが7月も前月に続き加速した。

食料品とエネルギーの値上がりが響いた。

エルドアン大統領が望む夏季の利下げは実現の可能性が低下した
 

3日発表の統計によると、7月の消費者物価は前年同月比18.95%上昇。

インフレ率は前月の17.53%から高まった。
 

エネルギー価格は前年同月比で21.51%上昇と、前月の17.3%を上回る値上がりとなった。

原油高が原因だが、他の財・サービスのインフレに影響が広がる可能性は一段と高まった。
 

食料品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアインフレ率は17.22%。

前月の17.5%からは低下したが、強いインフレ圧力が示唆された。

インフレ統計項目の約4分の1を占める食料品は24.92%値上がりし、同国の中央銀行が年末について予測する15%を大きく上回った。

 

引用元:bloomberg

 
結果、消費者物価指数(≒インフレ率)は、

トルコ7月消費者物価指数

6月実績前月比+1.94%%、市場予想同+1.57%に対し、7月実績同+1.80%!

より重要な前年比は6月実績+17.53%、市場予想同+18.60%に対し、7月実績同+18.95%!
 

トルコ7月消費者物価コア指数

6月実績前年比+17.47%、市場予想同+17.70%に対し、7月実績同+17.22%!
 


 
大注目のトルコ2021年7月消費者物価指数(≒インフレ率)。

結果は、市場予想を上回り、前月比では多少…ほんの僅か低下するも、前年比では上昇。

相変わらず酷い状況です。

特に食料品が24.92%の値上がりと、他国では暴動が起こっているレベルです。

トルコ国民の忍耐強さに敬意を払ってしまいます。
 

原因は原油や天然ガスなどのエネルギー価格。

資源が無く輸入に頼るトルコにとって、原油や天然ガスをはじめとするエネルギー価格の上昇は、物価上昇を招きます。

6月も高値圏でしたが、7月はさらに上昇し、1バレル=76ドルを記録するなど、原油価格の回復傾向が継続しています。

そりゃー物価も高くなります。
 

とは言え、それだけではなく、根本はエルドアン政権の経済政策の失敗。

昔はトルコのインフレを退治し、財政を立て直し、トルコの地位を高めた偉大な政治家だったんですけどねー。

(なので今でも高齢者や農村地域では人気があります)
 

最近ではインフレを抑えるどころか、支持基盤である建設業や製造業・観光業などに、補助金や低利子融資とお金じゃぶじゃぶした結果、取り返しのつかないくらいにインフレが上昇しています。

まあ一番は外交の失敗、欧米との対立激化からのトルコリラ安⇒輸入物価上昇⇒インフレ上昇ですが…。

兎に角、ここから立て直すには、大きな方向転換が必要でしょう。
 

トルコ銀行のカブジュオール総裁は7月29日に「インフレ率は夏場に振れが大きくなる可能性がある」とする一方、「今年10-12月期に著しく低下する」と発言。

このインフレの加速は、一時的な現象との見方を示しています。

また今回の結果を踏まえて、「金融政策・政策金利はインフレ次第」と強気発言をしています。

本来なら利上げすべき状況ですが、実際に利上げ、もしくは利下げ先延ばしができるのかどうか…。
 

トルコ中央銀行による次回政策金利発表は8月12日。

エルドアン大統領は利下げ圧力を強めていますが、利下げしている状況ではありません。

この7月の消費者物価指数(≒インフレ率)の結果はトルコリラ円を支える材料となり得るでしょう。
 

市場では、トルコ銀行の次の一手は利下げであり、今年10-12月期に利下げが開始されるとの見方が有力です。
 

実質金利はまだプラス

実質金利とは、名目金利から物価上昇率を差し引いた金利のことを指します。

簡単に言えば、主に政策金利から消費者物価指数・前年比を引いた数値のことですね。
 

今回の消費者物価指数発表でトルコの実質金利は、

19.00%-18.95%=+0.05%となりました。

実質金利はぎりぎりプラスです(;^_^A
 

トルコの実質金利は、0.05%。

しかし、インフレはまだ上がりそうですし、金利はエルドアン大統領の圧力で下がりそうです。
 

トルコ経済は依然苦しいままです。

特に新型コロナウイルスの影響で、雇用全体の50%以上を占めるサービス業は、店内飲食や週末の外出禁止措置で苦境にあえいでいます。

トルコの一大産業である観光業も、海外からのお客が来ずに壊滅的大ダメージです。
 

エルドアン大統領の金利を下げればインフレも下がると言う謎理論は置いておいて、インフレを考えれば利上げするしかないですが、これ以上利上げすると、トルコ経済にとっては死活問題です。

かと言って利下げすると、インフレ上昇を招き、企業はもとより市民生活にも支障をきたします。

トルコ中央銀行と政府・財務省は難しいかじ取りを迫られそうです。
 

消費者物価指数とは

商品や受けるサービスには価格があり、その時々によって高くなったり安くなったりしています。

これら商品の価格を消費者物価と言い、その平均的な動きを測定したものを「消費者物価指数」と言います。

消費者物価コア指数とは、その中から季候の変動などの影響を受けやすい生鮮食品とエネルギー価格を除いたもの、のことを言います。

 

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良いインフレと悪いインフレ

インフレには、良いインフレと悪いインフレがあると言われています。

良いインフレは、景気が良くて物価が上がるインフレです。

景気が良いと、物やサービスが良く売れるので、需要が供給を上回り、値段が上がりインフレになります。

景気が良いと、給与も上がるでしょうから、物やサービスの値段が上がっても、それほど気にならないかもしれません。

高度経済成長期やバブル期がそうでしょう。
 

逆に悪いインフレは、原材料や設備装備品が値上がりし、物やサービスを提供する値段が高くなるインフレです。

トルコは原油や天然ガスなどをはじめ、たくさんの原材料や物を輸入しています。

トルコリラ安により、輸入材料の値段が上がれば、その分企業コストは増え、利益は減ります。

給与が物やサービスの上昇に追いついておらず、物やサービスが売れなくなる…と言う光景が目につくようになります。

結果、不景気に突入してしまうことが多々あります。
 

トルコの場合、インフレ率は19%近くもあります。

給与が前年比で159%近く上昇していれば良いですが、そんなことはありません。

トルコは欧州で一番人口も多く(ロシア除く)、もともと内需が盛んです。

しかし悪いインフレが起こっており、兎にも角にもインフレ対策は重要なのですが…。
 

トルコ7月生産者物価指数

物価・インフレ上昇

生産者物価指数は上昇

 
トルコ7月生産者物価指数

6月実績前月比+4.01%、市場予想+1.50%に対し、7月実績+2.46%!

より重要な前年比は6月実績+42.89%、市場予想+43.60%に対し、7月実績+44.92%!
 

生産者物価指数…これは酷い(-_-;)

前回6月よりは鈍化していますが、これは前月が酷過ぎたため。

これでは製造して市場に出回る2カ月後~3カ月後の消費者物価指数(インフレ率)が心配です。

こちらも消費者物価指数と同じように、資源価格の上昇や、トルコリラ安からの輸入物価が上昇していることが原因です。
 

事実、トルコリラは2021年、新興国通貨のうちで年初来で最も下落しています。

メキシコペソは一時コロナショック時まで、南アフリカランドに至ってはコロナショック前の値を超えるほど回復しています。

ブラジルレアル・ロシアルーブルはコロナショック前まで、まだ全然戻しきれていませんが、2021年に入ってからは上昇基調となり値を上げています。
 

トルコの経済構造は、輸出を1とすると輸入は1.5となります。

つまりトルコリラ高の方がトルコ経済にプラスに働くのです。

当然トルコリラ安だとトルコ経済にマイナスに働きます。

(トルコリラ高だと安く品物を輸入できるためトルコ経済にもインフレにも優しい♪)
 

さらに日本と同様、資源の無いトルコでは、原油・天然ガスなども輸入に頼っています。

その原油・天然ガスの価格も一時期より上昇していることもインフレ上昇に拍車をかけています。
 


 
色々言いましたが生産者物価指数は消費者物価指数(≒インフレ率)の先行指数です。

何故なら、この7月生産者物価指数は、2カ月後~3カ月後の消費者物価指数に影響を与えるからです。

(7月に作られた商品は、9月もしくは10月あたりに消費者に届き、購入されていくため)

このままだと2021年9月・10月の消費者物価指数(≒インフレ率)も厳しそうです(;_;)
 

生産者物価指数とは

消費者物価指数との違いは文字の通り、消費者側から見た数値(買う側・受け取る側⇒消費者物価指数)か、生産者側から見た数値(提供する側・販売する側⇒生産者物価指数)かの違いです。

(生産者が出荷した時、サービスを提供する時の値段は生産者物価指数となります)

そして、生産者物価指数もインフレの指標となる経済指標です。

 

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消費者物価指数でトルコリラ

トルコ7月の消費者物価指数・生産者物価指数でトルコリラがどうなったかと言うと…。

ドル/トルコリラ

現在、1ドル=8.4495トルコリラくらいでしょうか。
 

インフレ加速&カブジュオール・トルコ銀行総裁の力強い発言により、もしかしたら利上げ?少なくとも当面は利下げできないだろう観測から値を上げていたトルコリラですが、NY時間に入ると利上げは難しいだろう・インフレもまだ上がりそう観測から値を下げてきました。
 

本来インフレ率19%とか、市民の怒りが爆発してデモが頻発しそうなくらいの上昇率なんですけどね。

食料品やガソリンなどの生活必需品の暴騰って、アメリカだったら暴動デモが起こりそうですが、トルコ人は怒ってないのかニュースになっていないだけなのか…。

兎に角、選挙に勝つためにもエルドアン大統領は、このインフレを何とかしないといけません。

ドル/円

1ドル=109円20銭くらいでしょうか。
 

先週のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で量的金融緩和の縮小(テーパリング)開始時期が来年以降になるとの見方が広がったことから、ドル安円高の流れとなっていましたが、少し反発しているようです。

2日発表のアメリカ2月ISM非製造業景況指数は、

前回:60.6
予想:60.8
実績:59.5

と、活動の拡大を示す50以上を14カ月連続で維持したものの、6月60.6から上昇予想に反して低下し、1月来の60割れ。

2カ月連続で拡大ペースは鈍化しています。
 

ただアメリカ経済の回復や雇用の改善はピークを付けた、とも言われていましたが、雇用は52.9と、6月に活動縮小となる50を割り込んだのち、再び50を回復したことは、アメリカの雇用はまだまだ改善途中であることを裏付ける数値となりそうです(^^♪

トルコリラ/円

1トルコリラ=12円93銭くらいでしょうか。
 

一時期13円台を回復していましたが、また12円台に戻っていますね(;^_^A

ただ、トルコの新型コロナウイルス・ワクチンの接種は加速しています。

8月3日時点で少なくとも1回接種したトルコ人は、人口の50.3%

必要回数のワクチン接種が完了したトルコ人は、人口の33.8%と、世界的に見れば進んでいる方です。

中国製ワクチン接種の割合が多いのは気になりますが(;^_^A

頑張れトルコリラ!
 

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